マイクロ法人に興味を持っているあなたは、確実に前に進んでいます。
「フリーランスでマイクロ法人を持たない意味がわからない」と思うくらい、マイクロ法人を設立した方が良いと私は考えているからです。
マイクロ法人設立のメリットを一言で言います。
それは「社会保険料を最小化して手元にたくさんお金を残せる」です。
これだけ覚えておけば“マイクロ法人を設立する目的”を理解したことになります。
あとは社会保険料を
・なぜ最小化できるのか?
・どのようにして最小化できるのか?
この2つを知るだけで、あなたもすぐ実行に移したくなるでしょう。
この記事では、マイクロ法人を設立することにより社会保険料が最小化される仕組みを初心者にもわかりやすく解説しています。
フリーランスでまだマイクロ法人を設立していない人は、必ず自分の法人(会社)を持ちましょう。
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これは経費として割り切りましょう。
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フリーランスと会社員 社会保険料の違い
まずは基本的なところから理解しておきましょう。
ここでは年収500万円のケースを例に保険料を見ていくことにします。
【年収500万円】 フリーランスの場合
自営業者であるフリーランスは国民健康保険料と国民年金保険料を毎月支払います。
・国民健康保険料は年収500万円の人で約40万円(40歳以上64歳以下の人は約44万円、それ以外は約36万円)
・国民年金保険料は年間で約20万円(一律1万6590円/月、2022年度)
フリーランスは社会保険料として、年間で合計約60万円もの社会保険料を納めなければなりません。
年収500万円の人でこれですから、更に稼いでいる人はもっと支払う必要があります。
【年収500万円】 会社員の場合
会社員は健康保険料と厚生年金保険料を毎月支払います。
従業員であればこの保険料は事業主と折半になります。
健康保険料と厚生年金保険料の決め方は標準報酬月額に対して
(※標準報酬月額:4〜6月の給与の平均と覚えればOK)
健康保険料:約10%(事業主と従業員で折半)
厚生年金保険料:約18%(事業主と従業員で折半)
但し、従業員は事業主と折半なので、それぞれ上記半額の約5%、約9%を納めることになります。
標準報酬月額が42万円(年収500万円÷12ヶ月)の人を例に社会保険料額を計算すると、年間で約70万円になります。
事業主と折半でなければ140万円も納めないといけないですね。
マイクロ法人 持っていない人と比較!保険料の差
結論から言うと、マイクロ法人を「設立しているフリーランス」と「設立していないフリーランスで」は手元に残るお金に40万円ほどの差が生まれます(年収500万円のフリーランスで想定)。
これはもちろん脱税のような法律違反をしている訳ではなく、知る人ぞ知る合法的な節税の手法となっています。
マイクロ法人あり 保険料
マイクロ法人を持っている人の社会保険料は、毎月約22,000円です。
(正確には2022年3月現在、22,388円を毎月納めています)
40〜64歳の人の場合はこれに+1,000円くらい(介護保険料)を想定しておけばOKです。
健康保険料:0.6万円
厚生年金保険料:1.6万円
年間にすると社会保険料は約26万4,000円になります。
マイクロ法人なし 保険料
マイクロ法人を持っていない人の社会保険料は、毎月約51,000円です。
国民健康保険料:3.5万円
国民年金保険料:1.6万円
40〜64歳の人の場合はこれに+8,000円くらい(介護保険料)を想定しておけばOKです。
年間にすると社会保険料は約61万2,000円になります。
マイクロ法人 ありとなし 保険料比較表
住まいによってこの数値は多少前後しますが、マイクロ法人を持っている人と持っていない人では年間で約35万円もの差が生じると言えます。
年収500万円以上になると両者の差は更に拡がるでしょう。
この現実を見て、マイクロ法人を設立したくないと思うフリーランスの方はそういないと思います。
それでは具体的にどのような仕組みで社会保険料を最小化できるのかを見ていきましょう。
会社を設立して役員報酬を45000円に設定する
いよいよ本題です。
ここからは何をしたらいいのか、極力端的に伝えていきます。
役員報酬 45000円とは?
役員報酬は設立した会社からもらえる「給与」と考えてもらってOKです。
大事なのは
役員報酬の金額に対して社会保険料の額も決まる!
と言うことです。
要するに、社会保険料を最安にするために役員報酬を45,000円に設定したと考えればOK。
そのためにはまず
フリーランスとして「国民健康保険料」と「国民年金保険料」を納めていた状態から会社(マイクロ法人)を設立して健康保険と厚生年金保険に加入することがはじめの一歩になります。
しかしこれではまだ不完全です。
補足すると設立した会社では、事業主(役員)兼会社員の形を取ります。
そして設立した会社から役員報酬を45000円に設定します。
役員報酬45000円を基に先ほどの健康保険料と厚生年金保険料が算出されます。
こちらの表をご覧ください。
大阪府と東京都の令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表を並列しています。
何れも標準報酬月額が63000円未満の場合、健康保険料と厚生年金保険料は最安です。
【⭐️役員報酬を62999円ではなく、45000円に設定している理由は後述しています】
マイクロ法人は事業主兼会社員の形式を取っているので、健康保険料も厚生年金保険料も(サラリーマンのように折半でなはく)全額納める必要があります。
折半じゃなくて全額!?
こう聞くと保険料が多額になると思われるかもしれませんが
大阪府であれば5968.2円(健康保険料)+16104円(厚生年金保険料)
=22072.2円/月 年間にして約26万5000円で社会保険料の払い込みが済みます。
年収500万円のフリーランスの社会保険料は約60万円でしたから2倍以上も差がありますね。
てかさ、年収500万円の人と比べても意味なくない?
役員報酬を月45000円しかもらってないんだから当たり前でしょ
社会保険料を最安にしてもこれじゃあ全然稼げないじゃん
マイクロ法人は稼ぐことが目的ではないからこれでいいんだ!
正直マイクロ法人は赤字でもいいくらいだよ!
えーーーーー!なんでだ。。
マイクロ法人は業績を伸ばすために設立した会社ではありません。
あくまでも、「社会保険料を最適化するため」に設立した会社です。
次の項ではなぜ、マイクロ法人の業績は伸ばす必要がないのか。
について解説していきます。
マイクロ法人は業績を上げなくてもいい その理由とは
稼げば稼ぐほど社会保険料や税金の負担は上がっていきます。
特に社会保険料は控除が効かないので、対策がかなり難しいです。
そんな中、唯一の対策と言ってもいいのがマイクロ法人。
ここがマイクロ法人の肝とも言えます。
なぜ、マイクロ法人では業績を上げなくてもいいのか?
結論から言うと
「社会保険料の負担」と「青天井で稼ぐこと」この2つの連動をマイクロ法人を活用して切る。これがマイクロ法人の醍醐味です。
つまりこれまでフリーランスとして稼いできた業に関しては(マイクロ)法人の方ではなく、形式的には副業として活動するのです。←これめちゃくちゃ大事です!
考え方としては、盾と剣を持つイメージです。
盾(マイクロ法人):社会保険料を最小化して、お金を守る
剣(副業):社会保険料との連動は切れてるので、あとは稼ぎまくる
社会保険料は(マイクロ)法人の方で既に納めているので、副業(剣)の方でいくら稼いでも負担額はそれ以上、上がらないのです。
一点注意が必要なのが、マイクロ法人と副業は全く違う業でないと認められない可能性が高いということです。
ブログ、アフィリエイト、せどり、動画編集、ハンドメイド、プログラミングなど何か一つ月5万円ほど稼げるビジネスを身につけられると完璧ですね。
でもさー。今から新しくビジネスを始めるなんて無理だよ
そんなに悲観的にならなくても大丈夫!
おすすめは今稼いでいる仕事のノウハウを販売する仕事、コンサルなんかが最適だよ!
いやいや。コンサルなんてやったことないし、稼げないよ。
売上なんか最初からアテにしなくて大丈夫だよ!
最悪赤字でもマイクロ法人としての役割は機能してるし!
まずは「ココナラ」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングを使って自分の知識やスキルを売ってみようよ!
あなたが一つのビジネスである程度稼げているのであれば、その知識を求めている人は必ずどこかにいるはずです。
上記のように、マイクロ法人は利益を必ず出さないといけないわけではありません。
私も実際、マイクロ法人の月利益が役員報酬を下回っている月が普通にあります。
資本金をある程度初めに用意しておいて、役員報酬をそこから取り崩していきましょう。
役員報酬は、なぜ45000円??
社会保険料を最小化するだけなら、役員報酬は62999円でいいじゃないか。こう思えた人は飲み込みが早くて尊敬します。
ですが45000円にしたのには理由があるのです。
それは
役員報酬にかかる「所得税」「住民税」も最小化するため
です。
「給与所得控除」という言葉は聞いたことがありますでしょうか。
要はサラリーマンのみなし経費と思ってもらえればOK。
画像は国税庁のホームページから抜粋したものです。
年収1,625,000円までの人は給与所得控除が55万円受けられます。
この55万円を控除した(引いた)金額の残りの所得に対して課税されるというわけです。
ところでマイクロ法人の役員報酬は月45000円でしたよね。
これを年収に直すと54万円。そうです。
給与所得控除55万円を引くと残りがなくなっちゃうんです。
つまり、役員報酬を45000円に設定した理由は
社会保険料を最小化すると同時に所得税と住民税も最小化する(最小化と言うより0円ですね)ためだったのです。
これが役員報酬を62999円ではなく、45000円にした理由です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
フリーランスとしてある程度安定的に稼げるようになった方にはマイクロ法人は必須アイテムとも呼べるのではないでしょうか。
最後にこの記事をまとめて終わります。
・マイクロ法人設立は社会保険料を最小化して手元にたくさんお金を残せる
・同じ年収500万円のフリーランスでも社会保険料の負担額はマイクロ法人によって約2倍の差が生じる
・マイクロ法人と副業は異なるビジネスである必要があり
・盾:マイクロ法人で社会保険料からお金を守る、剣:社会保険料は無視して稼ぎまくれる
・役員報酬を45000円にする理由は社会保険料を最安に抑えつつ、所得税、住民税も最小化するため